マイクロバブルについて

Q1.マイクロバブルとは
A1
マイクロバブルとは、発生時における直径が10~数十マイクロメートルの微細な気泡のことをいいます。 「発生時」と敢えていうことにしたのは、特別な意味があります。なぜなら、そのほとんどのマイクロバブルは自ら収縮し、より小さい「マイクロバブル」に変化するという重要な性質を有するからです。 これらの気泡は、従来よく使用されてきたミリメートルサイズ(ミリバブルという)とは本質的に異なる物理化学的特性を有することが非常に重要です。その意味で、マイクロバブルは、従来にない「革新的機能物質」とも表現されます。 このマイクロバブルの特性を生かすことによって、革新的・独創的な技術開発も可能となり、真に21世紀を切り開く夢の技術としての期待はますます高まりつつあります。
Q2.気泡によって呼び方が違うのは
A2
気泡径によってそれぞれ異なる特性を有しているからです。

気泡の直径が10~数十マイクロメートル以下の微細な気泡は、「マイクロバブル」、気泡の直径が数百ナノメートル~10マイクロメートルの微細な気泡は、「マイクナノロバブル」、さらに、数百ナノメートル以下の微細な気泡は、「ナノバブル」と呼びます。

このように、気泡径に呼び方を定義するのは、それぞれの気泡が違った特性を有しているからです。気泡径
Q3.マイクロバブルの特徴は
A3
マイクロサイズ゙からナノサイズへと自ら収縮することで、重要な特性が生まれます。 泡は、ゆらゆら上昇しながら水面ではじけて消えるのが一般的な概念です。しかし、マイクロサイズ以下の気泡は、従来のミリサイズ以上の気泡とは異なり、上昇しながら収縮し、水中で消えます。 従来の研究において、マイクロバブルの基本的性質としては、次の5つが明らかとなっています。 ①マイクロ・ナノサイズ近くの気泡を大量に発生させる。 ②ほとんど均一のバブルを発生させ、分散性に優れる。 ③ゆるやかな流動と広範囲の拡散特性を有する。 ④固有の物理化学的特性を有する。 ⑤生体に対して生理活性を誘起する。 これらの多機能性と高機能性が、水質浄化や水産養殖において画期的な成果を修める裏付けとなりました。

Q4. マイクロバブルの発生方式は
A4
超高速旋回方式です。

マイクロバブルを発生させるためには、気泡塊をマイクロサイズで切断します。それを可能とするために、マイクロバブル発生装置は、次の2段階の流体力学的制御がなされています。

【第一段階】 装置内部において、液体および気体の二相旋回流を発生させ、その遠向心分離によって、装置中心部に高速旋回させる気体空洞部を形成させます。 次に、この空洞部を圧力で竜巻状に細くして、より高速で旋回する回転せん断流を発生させることが重要であり、この空洞部に装置上部から吸入した気体を注入・通過させます。

【第二段階】 この高速旋回を行う気体空洞部を流体力学的な制御によって切断・粉砕することでマイクロバブルを大量に発生させます。 この切断・粉砕は、装置出口付近における内外の気液二相流体の旋回速度差を発生させることによって実現されます。 本法では、この二段階制御とともに、秒速数百回転の高速旋回が重要な特徴として注目されます。
Q5.マイクロバブル発生システムは
A5
マイクロバブルを発生させるためには、動力としてポンプを必要とします。 マイクロバブル発生システム
Q6.マイクロバブル発生状況は
A6
マイクロバブルを簡単に大量かつ均一に発生させることが本装置の特徴です。 マイクロバブル発生前後(液体は水道水、気体は空気)の写真です。 マイクロバブル発生前マイクロバブル発生前(M2-LM/SUS型)マイクロバブル発生後マイクロバブル発生後(M2-LM/SUS型)

装置噴出口付近でマイクロバブルが大量に発生しています。水中で気泡同士は合体することなく、均一に分散します。この気泡はマイナスの電荷を帯びており、プラスのものに付着しやすい性質を有しています。
Q7.気体・液体の種類は
A7
マイクロバブルは、その液体と吸入する気体の種類によっても分類が可能です。 対象とする液体には、淡水、海水、水道水や、薬品を含む各種人工水などがあります。気体には、空気のほかに純酸素、炭酸ガスなど特殊な気体を使用することが可能です。
Q8.溶存酸素濃度の改善について
A8
マイクロバブルは、水中の溶存酸素濃度を改善し、酸欠を防止します。 溶存酸素濃度とは、水中に溶けている酸素濃度のことです。溶存酸素濃度が2mg/L以下になると、ほとんどの海洋生物は生存できません。 ダム貯水池においては、酸欠が進行すると、無酸素水域が形成されます。ここから、各種金属イオンが大量に溶出することで、ダム全体や下流の河川や浄水に影響を与えます。 海洋環境においては、比較的多い降雨で植物性プランクトンが大量発生し、その死滅過程で大量の酸素を消費します。それに起因して酸欠水域は形成されます。 このような酸欠水域の形成は、数日にわたる一過性の現象であることから、それに対応するには常時観測体制の整備が必要となります。 結果的に、酸欠水域が何度も形成され、海洋生物は衰弱、あるいは斃死するのではないかと考えられています。 マイクロサイズ以下の気泡は、ミリバブル以上の気泡と比較して、気液界面の表面積が大幅に増加します。そのため、マイクロバブルは溶存酸素濃度の改善に優れた威力を発揮します。
Q9.海水マイクロバブルと水道水マイクロバブルの違いについて
A9
表面張力が低下すると、泡は発生しやすくなります。 海水には種々の物質が溶け込んでいるため、水道水と比較して海水の表面張力は低く、泡の形成が容易となります。さらに、有機物の混入は、泡の界面の粘性を増加させ、泡の寿命を長くします。 この組成に起因して、海水マイクロバブルは、水道水マイクロバブルよりも約5倍の発生が可能です。
Q10.マイクロバブルの上昇速度はどのくらいでしょうか。
A10
10μmの気泡で、毎秒100μmの速度で上昇します。この速度は、1m上昇するのに、約3時間かかることに相当します。
Q11.なぜ、マイクロバブルは、液体中での上昇スピードがミリバブルより遅いのですか?
A11
気泡径の大きさによって上昇速度が異なるからです。
一般に気泡の上昇速度は、砂が水中で沈む速度と同じだと考えられています。実際は、沈降ではなく、上昇ですが、それは、「ストークスの法則」で説明されます。マイクロバブルの上昇速度が遅いのは、気泡径が小さいことによりますが、これまで、30~40μm以下の気泡の上昇速度については詳しく調べられていません。したがって、どこまで「ストークスの法則」に従うのかも不明であり、今後の研究で明らかにされることが期待されます。

Q12.ナノバブルについての見解をお聞かせ下さい。
A12
ナノバブルは、正確には確認されていません。したがって、ナノバブルが存在するかどうかについては科学的な見解を有していません。大成教授(徳山高専名誉教授)らが確認している最小径は1μmです。
Q13.マイクロバブルを発生した後ですがバブル同士が合体してより大きなミリバブルに変わる事はありますか?
A13
マイクロバブル同士の合体現象は発生しません。それは、発生時の気泡径が10~数十μm程度であり、ほとんどの同一の電気的性質を有していますので、それで反発し合うからです。マイクロバブルのほとんどは、マイナスの電位を有しており、それが重要な性質として注目されています。
Q14.液体の温度によって気泡に変化はありますか?
A14
当然のことながら、液体の温度に依存してマイクロバブルの発生状況は異なってきます。一般に温度が低いほど発生量は多く、高くなると少なくなります。温度の条件によって、溶解度や気泡の寿命も変化すると思われますが、詳細な解明はなされていません。

Q15.液体中でマイクロバブルを沢山発生すると液体の容積は増えるのでしょうか?
A15
マイクロバブルを供給した分だけ、わずかですが容積が増えることになりますが、それが、溶解し、水面まで到達して消失することから、容積減少が起こりますので、正確には、それらの収支を考える必要があります

Q16. マイクロバブルは何処を境に呼び名が変わるのですか?

A16

大成博文教授らの最新の研究成果によれば、マイクロバブルであるかどうかは、自ら収縮するかしないかで区別されます。したがって、ミリバブルは、収縮せず、上昇しながら拡大するバブル、マイクロバブルは逆に収縮するバブルといえます。この境界の気泡径は「限界気泡径」と呼ばれていますが、およそ65μmとされています。もちろん、この限界気泡径は、以上、いろいろな発生条件で異なる可能性はありますが、ひとつの目安になる気泡径であることは間違いありません。

Q17.マイクロバブルとミリバブルは性質的に違うのですか?

A17

両者はまったく異なる性質を有しています。
マイクロバブル以下の気泡には、ミリバブルにはない固有の物理化学的特性があり、それは「サイズ効果」と呼ばれています。この効果は、単に気泡径のみならず、発生方式やマイクロバブルを発生させる周囲環境水の性質にも依存することが知られています。

Q18.マイクロバブルり小さいマイクロナノバブルが発見されたようですが、
更に小さいナノバブルは存在するのでしょうか?

A18

マイクロバブルは収縮して「マイクロナノバブル」へと変化します。この過程が今年の日本混相流学会年会2005で都並結依(徳山高専)らによって詳しく報告されました。これによれば、マイクロバブルとマイクロナノバブルの相違は、その収縮速度に大きな違いがあるとされています。マイクロナノバブルほど収縮速度が速く急激に小さくなります。これが、さらに小さくなってナノバブルにまでい移行する可能性はありますが、今のところ、明確には観察されていません。(参考文献、都並結依ほか:マイクロナノバブルの収縮過程、日本混相流学会年会講演会2005講演論文集、pp.323-324)

Q19.マイクロバブルが収縮運動を起こすきっかけは何ですか?

A19

マイクロバブル発生装置のなかで中心空洞部において負圧形成がなされ、それが、超高速せん断でちぎられることが「きっかけ」となります。発生したマイクロバブルの周囲の圧力がマイクロバブルの中の気体より
も高いことから、当然のことながら、圧力が周囲からかかって、マイクロバブルは収縮へ向かいます。丁度、風船を水の中に入れて、それが収縮するのと同じです。
ところが、風船が押されると小さくなり、風船の中もより高圧になります。高圧になれば、中の気体の温度も上昇します。
そこで、マイクロバブルであれば、すべて収縮するかといいますと、そうではない気泡もあります。加圧制御方式(加圧して気体を液体に送り込み、その後圧力開放することで気泡を発生する方式)では、圧力低下によって気泡の核を膨らませることで微細な気泡を発生させますので、発生させる気泡径をなかなか制御することができません。このため、数十μmの気泡が比較的多く発生し、それが白くみえるために、「白い泡」「ミルク色」と表現されているようです。
当然のことながら、この白い泡は、収縮しにくく、あるいは収縮に時間がかかることから、その物性が超高速せん断方式で発生させたマイクロバブルとは大きく異なっているようです。これらは、今後、きちんとしたデータによって明確にされると思います。

Q20.マイクロバブルの影響範囲はどれくらいでしょうか?
A20
マイクロバブルは、非常に上昇速度が遅いことから、広い範囲にわたって拡散します。 ダム貯水池では、深さ方向ではなく、横方向に拡散する特性があり、上下流200メートルの範囲に広がっているデータが得られています。また、カキ筏では20メートル半径で拡散している様子が観察されています。
Q21.発生装置の気泡径はどのくらいでしょうか?
A21
発生直後の気泡径の大きさは、10~15μmがほとんどです。これらが、数十秒で収縮しますので、マイクロバブルからマイクロナノバブルへ変化します。 ナノバブルについては、いまだきちんと確認されていません。
Q22.毎分数十リットルの大量のマイクロバブルを発生させたいと考えています。
可能性はいかがでしょうか?
A22
実際に50~60機のマイクロバブル発生装置を同時に動かす装置については、過去にダム貯水池などの浄化において実績があります。この場合、ポンプは1台で済みますので、とても省エネルギー運転となります。 また、本装置は、実際の現場の状況や目的に応じて設計も可能ですので、具体的に相談をしていただけますと対応可能となります。
Q23.「白いミルクのような泡」と、㈱ナノプラネット研究所社製の超高速せん断方式で発生した
マイクロバブルとは、どこが違うのでしょうか?
A23
まず、見た目では、以下の違いがあります。 「白いミルクのような泡」と称される泡は、加圧減圧方式で形成される方式がほとんどです。ポンプ等で加圧し、そこに空気を入れて、加圧下で空気を強制的に溶け込ませます。この液体をポンプで圧力開放装置まで移送し、気泡を発生させます。小さい気泡核が膨張して、白く見える気泡となります。この気泡は、圧力開放で膨張した気泡ですので、気泡径を制御することができません。発生後の気泡をよく観察すると、数十μmの気泡がかなり多いことが観察されています。この比較的大き目の気泡が白く見えてしまうことになります。 ところが、超高速せん断方式で発生したマイクロバブルは、淡水の場合、そんなに白く見えません。あまり強力な光源を与えない限り、むしろ透明で、バブルが出ているのかどうか、よくわかりません。よく、マイクロバブルが出ていないという問い合わせがあるのですが、まず、光をあてて下さいとお願いします。そうすると「これがマイクロバブルですか!」と、納得された返事があります。 つまり、気泡は小さくなればなるほど、淡水の場合には、より透明になるのです。ナノ粒子は、鉄であろうとシリコンであろうと、透明だといわれています。ナノサイズに近づけば近づくほど透明に見えるようになります。ファインセラミックでさえ、外灯用のカバーとして用いられているものは透明です。透明でないと、光を通さないからです。 ところが、泡は白いものという常識があり、これがマイクロバブルにも適用されると思われておられる方が不思議とたくさんおられます。 マイクロバブルやマイクロナノバブルのことをよく理解されようとする場合、まず、この常識を変えることが必要と思われます。